輝かない幼児たちの願いが、届かない

30年も前から、毎年春に、日本国中に「「ママがいい!」という叫びは、満ちていたのです。それを保育学者が「専門性」などという言葉で誤魔化し、マスコミが「女性の社会進出」などという、経済競争しか「社会」と見なさない狭い了見で押し殺し、政府は、幼児の気持ちを無視することで、選挙に勝とうとした。

現場の保育士たちだけが、心を痛めてきた。そんなことが長続きするわけがない。

 

 

想像力が無ければ輝かない、輝かない幼児たちの願いが、届かない。

012歳児とゆっくり過ごす時間が、無駄だと言う、損失だと言う学者たちの作る罠みたいな仕掛けで、人間を育てる小さな人たちが、諦めてしまう。「ママがいい!」という叫びが、その価値を失っていく。

いい加減に、この人たちの価値に気づいてほしい。

 

 

保育界の限界は、すぐに小学校の限界となって、それが、福祉の限界、司法の限界となっていく。

スエーデンの犯罪率が日本の20倍、という現象を、人類に起こっている人間性の崩壊と捉えれば、私たちは違う道筋を選ぶべきなのです。この国には、チャンスがあるのです。

世界の情勢と、父親像、母親像

松居和チャンネル 第69回のテーマは、

「世界の情勢と、父親像、母親像」

副題が。「自己肯定感なんて、海に捨てちゃえ!」です。

世界を眺めると、自分を肯定しようとする乱暴者、いじめっ子(Bully)が、「市場原理」に便乗し、人間社会を支配しようとしている。人間性が問われる前に、支配する「能力」で評価される社会的風潮が、弱者を苦しめている。

その波に、日本は、呑み込まれてはいけない。

多くの人が、子育てを「優先」するから、モラルや秩序は保たれる。

自己を肯定する前に、子どもを優先する。その古(いにしえ)のルールが生きている国なのです。

先進国で唯一、子どもが生まれた時に、ほとんどの家庭に「実の父親」が存在する国。男たちが「幼児」によって育てられる「機会と可能性」を持っている「国」。

家庭に、父親が含まれている、この究極の「インクルーシブ」、「常識」は、欧米社会が望んでも、もう手に入れることのできない、再生不能な「安心、安全」でもあるのです。

人生を損得で測ってはいけない。数年間、幼児を育てながら、人間は、「利他」の幸福観を身につけていく。欧米人が憧れる、日本の「空気感」が、幼児を眺める「静けさ」の中に、ある。だから、辛うじて、学校も、まだその体(てい)を成している。

家庭での「読み聞かせ」と、園での「保育者体験」。この二つだけでいい。それで、この国を守れる。

(一般公開の講演会です。ぜひ、ご参加ください)

「ママがいい!」、ぜひ、ご一読ください。

素晴らしい、仕掛けです

人間は、一人では生きられない。

これほど、見事な「足かせ」はない。

素晴らしい、仕掛けです。

自然に、嬉しそうに、その仕掛けの一部になれば良い。

言葉を超えて、「心持ち」を感じる力を養い、助け合う。

その種類のコミュニケーションの、「入り口」にいるのが、0歳、1歳、2歳児たちです。

この人たちとの会話が、人間を、導いてきた。やがて、海や、山や、川とだって、話ができるようになる。

橋本武夫先生とジョイント講演会 7月5日、鳥栖

 幼児の発達心理の重鎮、橋本武夫先生とのジョイント講演会です。
 一般参加もOK、無料です。申し込みが必要です。
 フロアディスカッションもあり、とても楽しみにしています。ぜひ、ご参加下さい。
7月5日、午後一時半、会場はサンメッセ鳥栖。
【主催】 社会福祉法人若楠,【後援】鳥栖市/鳥栖市教育委員会

ほんとうに、預けていいのかい?

こう言う会話が日常的に行われていた時代が、あった。人類の歴史にとっては一瞬でしかない、分岐点が、そこにあった。

それ以前、人間は、主に「人柄」と会話をしていたのだと思う。時に、子育ては、そういうものだった。

欧米型の市場原理は、形を変えた「侵略」です。

欧米の「家庭崩壊」は、父親の責任放棄から始まっている。アメリカで四割、スウェーデンでは六割の子どもが未婚の母から生まれる。

日本の政府が、母子分離政策を止めないから、本来の父性、優しさや忍耐力を、幼児たちを使って耕してほしい、と、園長先生たちに、「父親の保育体験」を、お願いする。しかも、早いうちに、一人ずつ、八時間。(幼稚園は、五時間?)「

この状況で、男たちが「子育て」から逃げれば、欧米の二の舞になる。日本でも、三割の男が一生に一度も結婚しないという数字が出ている。それを見れば、もはや逃げているということ。

福祉や教育という「仕組み」では、絶対に負いきれない「責任」が、宙に浮き、「母性」さえも脅かされ、働かなくなる。

この国は、愛するに値する、「利他」の伝統を持った国です。

人間の脳が出来上がる、012歳までの子育てを、特別に、大切にしてきたからです。

先人たちが作り上げた、「調和と美しさ」を守らなければいけない。

欧米型の市場原理は、形を変えた「侵略」です。

講演依頼は、matsuikazu6@gmail.com まで、どうぞ。

日本の底力

火曜日です。

松居和チャンネル更新の日です。

第68回のテーマは、「血のつながる父親がこれほど家庭にいる先進国はない」。副題が、真の「国防」とは。

にしました。

この国は、まだ「家庭」が主体になっている。人生において、子育てが、優先されている。

「女性の社会進出」という言葉が現れたように、「社会」の定義が、突然、あやふやになってきました。「社会進出」という言葉が使われる時、乳幼児たちの役割りや、「願い」が含まれていない。これでは、「社会」が根っこから崩れていく。

血のつながる父親が、これほど家庭にいる先進国はないのです。

これが日本の底力。まだ間に合うかもしれない。この国は、人類を先導する、可能性がある。

学者やマスコミは、この国を、しっかり見極めてほしい。大事にしてほしい。1対20で、「子育て」ができるなどと、無責任なことを言わないでほしい。

何より、政治家たちに、真の愛国心を求めたい。

社会の最小単位である「家族」を、母子分離政策で壊す、それを与野党とも支持しながら、一方で、国防を言っても、そこに「絆や、信頼関係が育つ」という、国を形づくる「道筋」の本質が欠けている。

まだ、可能です。この国を耕すのは。

子供から、無償の愛をもらっている

松居和チャンネル 第67回です。

前回の、看護学校で講演した感想文の続きから始まります。

「親から無償の愛ではなく、子供から、無償の愛をもらってるというのは共感です。

途中で何度も涙と鼻水が込み上げてくる程に力強く、心に響くお話を聞くことができて、非常に貴重な経験をさせて頂いたと感じています。」

そして、特別支援学校で、生徒が先生を育てていた話が続きます。私が、埼玉県の教育委員長をしていた時のこと。特別支援学校の視察で、教師たちが重度の障害を持った子どもたちに「育てられている」姿を見たのです。

身動きが満足に出来ない中学生が、言葉にはならない言葉で、教師をゆっくりゆっくり育てている。その日教えたことが、次の日には無になっているように思える関係だからこそ、結果を求めず、教える側の人間性が育っていく。

乳幼児が親を親らしく育てる「風景」と重なるものでした。

私が、そう感想を言うと、

「そうなんです、私たちが育てられているんです」と涙を流す先生がいました。

「親心」とは、心の底で、静かに損得勘定から離れること。

教育も、そうだったのかもしれない。

 

「家庭」があって、その先に「村(むら)社会」がある。だから「頑張る」ことが、「祝う」ことに、生まれかわっていく。

本気で、将来の「経済」を考えるなら、村(むら)社会的な役割を、会社という単位で、再生してほしい。

そして、保育園、幼稚園が、百人くらいの単位で、「絆」を、耕していく。

方法は、「ママがいい!」に書きました。このチャンネルでも言いました。幼児が風景の中にいる、一つ一つの「園」や「会社」が、それをして、「国」が成り立っていくのです。そこに、「国」の存在意義があるのです。

みんなで喜ぶ、可愛がる。祝う。

成人式には、卒園児たちが全員、晴れ着姿で戻ってくる園があります。

「親心のビオトープ」を作るのは、難しいことではない。自然な風景に、還してあげればいいだけ。

きっと、それが、この国の経済にもいいはずなのに。