「シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち」の上映会

12月14日に、私が制作、監督したドキュメンタリー映画、「シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち」の上映会が16時からヘルシーカフェのら、であります。(お問い合わせは、norakomine@yahoo.co.jp までどうぞ。)

アメリカのインディーズの映画祭で金賞をとった作品です。ぜひ、おいでください。千円、ワンドリンク付きです。私の解説、演奏もあります。私たちが学べる原風景が、そこにはあって、特に家族の関係は興味深いです。

この映像は、「踊り手たち」が来日した時、NHK国際放送で放映されたものです。

「不登校児童の少ない小学校」

松居和チャンネル第46回のテーマは、「人生の道筋がすっきりと見えてくる」瞬間。

副題が、「不登校児童の少ない小学校」です。

講演に行った、ある小学校、不登校児童が少ないのです。津々浦々講演に行きますが、どこでも一割が不登校。学校に対する強烈な不信感が全国に広まっていて、石垣島でもそうでした。政府が母子分離をすれば、こうなるのです。

その向こうに、「行きたくない子どもたち」が、二、三割居て、我慢している。その我慢が、一番怖い。精神的な後遺症になったりする。小学校時代のPTSDは、高校生になって爆発したりする。

その小学校は生徒が二百五十人でしたから、二十五人不登校でもおかしくないのですが、九人です。

すでに話題にもなっていて、訪れる人もいる、と校長先生が言っておられました。

その小学校は、特別支援学校と同じ敷地内にあって、小学生が、そこの中学生と交流している、それがいいのではないか、と女性の校長先生が言うのです。

その小学校へ、卒園児たちが行く幼稚園の園長先生、保育園の園長先生、そして校長先生と私。四人で夕食をしながら話し合ったのです。特別支援学校と小学校が交流する意味について。こんな組み合わせがいい。卒園児たちのことを、いつも心配している園長先生たちも、しきりに頷く。

講演会前後の懇親会は情報を交換し合う、お互いにとっての学びの場で、私も楽しみにしています。その晩も、垣根を越えて、会話が弾みました。

先生が、一対一とか、一対二で、いわゆる「グレーゾーン」の子どもに授業をする特別支援学級とは違い、特別支援学校は、もっと重度の、肢体不自由児とか、知的の問題とか、中学生であっても、先生にすれば二歳児三歳児を教えているような、一人一人みんな違うので、一律には言いにくいのですが、例えば、今日教えたことを、明日は覚えていない、ような子どもたち、身動きが取れない子どもたちがいたりする。

その子たちと交流をしていると、不登校児童が減る。小学生に「生きる意欲」が生まれてくる。私が、「幼児との交流」が人間には必要、と言っている趣旨と同じなのです。

012歳児が、人間性の土台を育てる、「生きる力」に関わるような「働き」が、一人では生きていけない中学生たちにあるのではないか。

そこで人間は、「常識」を手に入れるのだと思うのです。

 

優しさの伝承

前回、子どもの貧困などあり得ない、「大人たちの心の貧困」が問題なのです、と書きました。
大人たちの心の貧困を招いたのは、(待機児童が2万人にも拘らず)、あと40万人乳幼児を保育園で預かれば、女性が輝く、ヒラリー・クリントンがエールを送ってくれました、と首相が国会で言った、男たちの浅はかな経済論です。

母親から子どもたちへの「優しさの伝承」を断ち切り、親心を耕す乳幼児の天命を消していった。
それをして、経済が良くなっても、並行して、不登校児童や児童虐待が増えては、この国のためにはならない。義務教育を崩壊寸前にしておいて、株価とか、グローバル経済などにうつつを抜かしている、マネーゲームに取り憑かれた男たちが、保守だとか、愛国心と言ったって、まるで信用できない。

11時間保育を「標準」と名づけた時点で、化けの皮は剥がれている。本当に国を愛するなら、政府の母子分離政策と徹底的に闘ってほしい。

保育界が一つになって幼児たちの願いに耳を傾け、「子ども優先」の引き金を引けば自浄作用は必ず働く。幼児たちの力を信じるしかない。そこに賭けるしかないと私は思っています。

Kazu Matsui

Kazu Matsui

Born in Tokyo in 1954, Kazu Matsui entered the Philosophy Department of Keio University before transferring to and graduating from the Department of Ethnic Arts at the University of California, Los Angeles (UCLA).

As a shakuhachi (Japanese bamboo flute) performer, he contributed to numerous American films, including George Lucas’s Willow and Steven Spielberg’s Empire of the Sun. Over the years, he has established himself as a music producer and performer, producing a wide range of CDs.

In 1988, he created a video report, America Now, addressing the crisis in the U.S. educational system and the breakdown of family structures. From 1990 to 1998, he served as a lecturer at Toyo Eiwa Junior College, teaching in the Department of Early Childhood Education. During this time, he delivered lectures on topics such as “Family Breakdown in Developed Societies” and “The Role of Educators” to childcare and education professionals as well as parents, warning of Japan’s trajectory following Western trends.

Between 2006 and 2010, he served as a board member for the Saitama Prefectural Board of Education, assuming the role of Chairperson from 2009 to 2010.

In 2008, the documentary film Sakthi Dancers and Sister Chandra, which he produced and directed, won the Gold Remi Award in the Feature Documentary category at the 41st WorldFest-Houston International Film Festival.

In 2023, his seventh book, Mama ga Ii! (Mom is the Best!), ranked number one in its genre on Amazon Japan.

In 2024, it also topped Amazon Japan’s Popular Gift Ranking.

 

2005 2001 2001 2000 1999 1999
1993 1992 1991 1987 1986 1985
1984 1983 1982 1981

日本の子育ての現場は母性と献身で守られている

佐賀県の、母子保健推進協議会で講演しました。乳幼児と母親の相談に乗ったり援助するボランティアの人たちです。

民生委員や保護司、ファミサポもそうですが、日本の子育ての現場はこういう善意の人たちの母性と献身で守られている。(翌日、多久市子育て支援センター「でんでんむし」 で講演しました。)

だからこそ、政治家や経済界が、安易で短絡的な経済論、母子分離政策で、子どもが育っていく環境を壊すやり方に腹が立つのです。

先月講演した助産師さんの大会でも感じました。この国の「母性」に感謝し、この人たちを大切にしないと、学校は、もう崩壊寸前に来ている。不登校がどこへ行っても一割です。その向こうに、殺伐とした教室で、苦しむ子どもと、その親が、泣きながら義務教育を見限ろうとしているのが見える。その原因が、政府の進めた「愛着障害」の急速な広がりなのです。変な先生が、生徒をいじめる。いい先生たちが、心を病んで辞めていく。

株価や、得体の知れない「グローバル経済」に怯え振り回される経済学者やマスコミは、もっと真剣に、教師不足の危機、質の低下を考えるべきだったのです。完全に手遅れ、後手にまわってしまった。

近頃、子どもの貧困、と言われますが、「大人たちの心の貧困」が問題なのです。そして、大人たちの優しさや忍耐力、良い人間性を育ててきたのは、赤ん坊や幼児たちだったのです。その人たちの役割を奪ってはいけない。11時間保育を標準と名づけた国は、まず、それを取り下げなければいけない。

 

 

教師の成り手がいない。政府の母子分離政策が根底にある。

首相が国会で、あと40万人保育園で預かれば、女性が輝く、と言い、「保育園落ちた、日本死ね」という言葉が重なり、与党も野党も母子分離を「正論」化していった。

このチャンネルの第9回で紹介した「ちくちく言葉」は、その頃、すでに、多くの保育園で子どもたちを苦しめていた。それは、実習生に聴けばわかった。その風景が、大学の保育科や専門学校の定員割れにつながり、心ある保育士たちの退職が始まっていた。

「保育は成長産業」という閣議決定、その悪質な「罠」を維持するために、「してはならない規制緩和」を国は繰り返した。11時間保育を「標準」としたことも、「短時間勤務保育士活躍促進」と馬鹿げた名をつけて、幼児期の愛着関係を細切れにしていったのもそう。何より怖いのは、そこへ連れて行かれたのは、主に「母親によって」だったこと。幼児期の「不安」が、やがて社会全体を覆っていったのです。

「学校崩壊」という形で、自分たちの首を絞めることになる、と、薄々知りながら、「利権」を考え、保育学者も含め、保育「業界」がそれに抵抗しなかった。

しかし、「世論」をつくったのは、マスコミの報道姿勢だと思う。幼児たちの側に、本気で、立たなかった。

「ママがいい!」を読んでもらえば、大体のことはわかると思います。そして松居和チャンネルを、ぜひ知人に薦めてください。今、幼児の側にみんなで立たないと、義務教育が持たない。

よろしくお願いします。

 

「教師不足が、致命的な段階に」

松居和チャンネル、第45回は、テーマは、「教師不足が、致命的な段階に」です。副題は「保育界の二の舞。母子分離政策が根底に」です。

最近、こんな報道がありました。

『文部科学省や各教育委員会が教員不足の大きな要因として挙げるのが、障害のある子どもが通う特別支援学級(以下、支援学級)の増加だ。

直近10年間で小中学校全体の児童・生徒数は減少しているにもかかわらず、支援学級の在籍者数は2011年度の約15万人から2021年度には約32万人に倍増している。」(東洋経済新聞)

その5年前

「てめぇら!」響く保育士の怒鳴り声 “ブラック保育園”急増の背景(週刊朝日)

「虐待あり、怒声あり、ネグレクト(放置)あり……。子どもが健やかに育つはずの保育園で、劣悪な運営実態がたびたび明らかになる。日本社会の縮図といえる保育崩壊の現場とは」

という報道があって、さらに、その3年前、全国紙の一面で、こんな事件が報道された。

<保育士逮捕>退職恐れ虐待注意できず

「背景に人手不足 千葉市の認可外施設」(千葉日報2014年)

10年前、すでに、保育士不足で、園長が良くない保育士に注意できない状況になっていた。しかし、経済と大人の都合を優先し、社会が、それに慣れていった。

首相が国会で、あと40万人保育園で預かれば、女性が輝く、と言い、「保育園落ちた、日本死ね」という言葉が重なり、与党も野党も、マスコミも、母子分離を「正論」にしていった。

当時、政府の言う「女性活躍推進」には、「ママがいい!」という言葉に応えようとすること、は含まれなかった。いまでも、そう。

首相の発言当時、待機児童は、実は2万人だった。子どもの願いを無視した、38万人分の雇用拡大政策、つまり「欲得」が、保育施策の動機だった。首相が言った「活躍」の定義の、あまりの狭さ、陳腐さに対し、与党も野党も意を唱えなかった。

 

 

昭和の男”が「孫休暇」

こんな記事がありました。

仕事一筋 “昭和の男”が「孫休暇」取得なぜ? 

〜子どもの世話、妻に任せきりだった後悔〜

企業や自治体で仕事と家庭の両立支援が進むなか、孫のために休暇を取れる制度が広がっている。具体的にどのようなものなのか。「孫休暇」を設ける九州電力を取材した。AERA 2024年11月25日号より。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f088206bb1829309874f8b1ec6d9c9c7ed678049

(ここから私です。)

経済競争に気を取られ、自分のいい人間性に気付かず過ごした男たちの後悔と反省は、孫たちによって突然輝く。「子どもを可愛がることに幸せを感じる」遺伝子が、慌てて、オンになってくる。祖父心は、幼児たちと相性がいい。

頼り切り、信じ切り、幸せそう。

その境地で重なる。弱者が、いよいよ調和のシンボルになって、小波のように、「鎮まる力」を広げていく。

 

 

 

子育ては、待つこと。

子育ては、待つこと、それが最初にあって、と、私の好きな絵本『こんとあき』にも書いてあります。

待ち方が大切だと、先日講演に行った授産師さんたちも口を揃えていました。その時間から、社会を整える「常識」が生まれて、遺伝子が正しい順番でオンになり始めるのだと思います。

初めての笑顔を待つ。そして「はじめの一歩」を待つ。初めて「とりあえず」と言ったのに、驚く。そして、親たちが、自分がいい人間になっていくのを、静かに、願う。

遺伝子が正しい順番でオンになって行く、最初の所に、「ママがいい!」という言葉が登場スノです。その願いに応えていくことで、社会という『道筋』がついていく。

人類未体験の集団的、意図的な母子分離を政策でやると、社会から優しさと忍耐力が消えていきます。学校には補うことが出来ない。

慣らし保育なしで、7日間まで幼児を知らない人に預けられる「子どものショートステイ」を「圧倒的に整備が遅れている」と、こども家庭庁は「戦略」で言う。過去三十年間の政府の子育て支援はネグレクトの勧めだった。会社が休みでも平気で預ける親を増やし、保育士たちの心が離れ、保育の質が下がっていった。

親たちの保育体験で、乳幼児期の母子分離を補うのは無理ですし、愛着障害の影響を和らげることは出来ても、未婚率や少子化を止める事はできません。でも、保育や教育がギリギリ維持できるところまで、育てる側の絆を復活させられるかも知れません。親らしい幸福感を、少しずつ取り戻すことができるはず。

政府は、多様性を言いながら、「ママがいい!」という言葉を無視することで、人間社会の『共通性』を壊している。子育てに必要な、この「共通性」が社会を鎮めてきた。

私の作ったドキュメンタリー映画の上映会です。

12月14日、私の作ったドキュメンタリー映画の上映会があります。ヘルシーカフェのら、で16時から。千円でワンドリンク付き。私の解説と尺八演奏付き、です。こちらまでお問い合わせください。 norakomine@yahoo.co.jp

 

(上映会を開いてくれる方、ご連絡ください。無料です。なるべく私も参加します。matsuikazu6@gmail.com)