2014年12月
【今号の特集内容 】
・・・各園の掲載ページ紹介 第11号平成26年11月 日
・・・あさひが丘保育園・緑が丘保育園 編集・発行
・・・高島平つぼみ保育園・向原保育園 保育サービス課研修担当
親の一日保育士体験のホームページへの掲載が好評です。体験を通して楽しい様子が伝わってきます。松居和先生の研修を受講した感想には、「松居先生のお話を聞いて、やっと必要性がわかった」の声が多くありました。子ども・子育て支援新制度等、子育てを取り巻く状況は様々に変わり、保護者、保育園等施設、自治体それぞれが子育てを見つめなおす時といえるでしょう。「親の一日保育士体験」を通じて子育てを一緒に考えることができる、保護者との関係づくりを進めることができたらと願います。
親の一日保育士体験ホームページ・・・各園の掲載ページから (実際のHPでご覧ください)
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_categories/index04004012.html
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今年は保育界にとって忘れられない、混乱の年でした。その年の最後に、現場からこんなメールをもらい、ホッとしています。
一日保育士体験がこの国を救うかも知れません、少なくとも、一家の人生を変えることは出来ます、それはすごいことです、という説明をあちこちの市や町で受け入れてくれ、実践してくれた園長先生、主任先生、保育士さんたちに改めて感謝です。
そして、この方法を理解し、施策の一部として進めてくれた市長さん、区長さん、議員の方たち、行政の方たちにも感謝です。
この国の文化や伝統、特別な存在意義を思い出し、利他の幸福論で国を再生してくれるような政治家がもっと出て来て欲しいと思います。
人間の営みを幼児という弱者の観点から考えてくれるジャーナリストがもっと現れてほしいと思います。
それまで、保育者たちは淡々と親心を耕し続けるしかないのです。幼児がいる限り大丈夫なはずです。
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内村鑑三が、教育で専門家は育つがひとは育たない、と義務教育が広まり始めたあの時代にすでに言っていた。百年後、増えた専門家たちが「社会で子育て」(実は仕組みで子育て)と言って、教育さえも成り立たないほどに「子育て」の基盤である家庭(または愛着関係)を壊そうとしています。
いま、保育という仕組みをもう一度、人間の営み、という本来の姿に戻していかなければなりません。
子どもたちは、特に幼児たちは変わっていないのに、そういう時代だから、と言われるとがっかりします。
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子どもを預けて共働きをしないと生活が成り立たない時代だから、と誰かが言うけれど、実は日本は世界で最も豊かな国で、GDPで上に居るのは中国とアメリカ、絶対に真似したくない国だけです。
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それ故に、豊かさの頂点にいるこの国が考えること、この国の持つ現在進行形の常識が人類全体の未来の行く道を左右するのではないか、と考えています。人間は、確かに豊かさに弱い。豊かさの中で、わかちあうこと、頼りあうこと、信じあう幸せを忘れそうになる。もしこの国の人々が、発展途上国の人たちがまだ常識的に持っている親子、親族、部族的しがらみを持って暮らしていれば、ほとんどの人々が充分に幸せに暮らせるはず。
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だから、一日保育士体験のような普遍的で、縄文時代にも、室町時代にも通用したはずの幸せの見つけ方を意識的にこつこつと、取り戻して行かなければならないのだと思います。
保育士が親たちに向かって呪文のように唱える、「子どもが喜びますよ」「子どもがよろこびますよ」という言葉の繰り返しが社会に満ちて人を育てるのです。